新聞・雑誌等への掲載

残パン分解ガス燃料に タカキベーカリー千代田工場で今秋始動

2008.05.30
2008/05/30 中国新聞朝刊

 地域の工場や飲食店から出る食品廃棄物を、高温・高圧処理する超臨界技術を用いて削減する産学官の実証実験が今秋、タカキベーカリー千代田工場(広島県北広島町)で始まる。三月から始めた水素を取り出す実験と併せ、廃棄物をほぼゼロにしながらエネルギーをつくる「一石二鳥」のシステム構築を目指す。

 超臨界は、高温高圧下で生じる液体でも気体でもない物質の状態。水を超臨界状態にすると、有機物を分解する「超臨界水」になる。実証実験はこの技術を応用。含まれる水を超臨界水にして食品廃棄物を分解する。
 広島大やサッポロビール(東京)、東洋高圧(広島市西区)、広島県立総合技術研究所(中区)など七機関が参加。パンくずなどを発酵させて水素を取り出し、残りかすから分離した固体部分をガス化装置に投入。約600度の高温で約250気圧をかけ、ガスに分解する。
 ガスは可燃性で、水素生成工程の熱源に利用。出来上がった水素は燃料電池発電に使う。廃棄物から出る液体も発酵させてメタンガスをつくり、工場の熱源に生かす。
 当面はパンくずを使うが、飲食店から出る残飯、豆腐工場のおから、清掃で集めた草も利用する。実験は2009年度末まで続ける予定で、全国の食品工場などへの普及を見込む。

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