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半導体の基板「シリコンウエハー」超臨界状態のCO2で洗浄-東洋高圧が装置開発 実用化なら世界初

2007.08.22
2007/08/22 中国新聞朝刊
 実験用プラント製造の東洋高圧(広島市西区)は、半導体の基板となるシリコンウエハーを、二酸化炭素(CO2)で洗浄する装置を開発した。従来の水を使った洗浄よりウエハーの配線への影響が小さいため、高密度の集積回路(LSI)製作が可能になる。  同社が得意とする、液体と気体の性能を併せ持つ超臨界状態の技術を応用した。実用化すれば世界初という。  装置は直径約30センチ、高さ約6ミリのステンレス製の円盤。シリコンウエハーが入る装置内を超臨界状態にし、二酸化炭素で自動的に洗浄できる。

 シリコンウエハーの洗浄液は一般的に超純水を使用する。しかし、水には表面積をできるだけ狭めようとする表面張力があり、洗浄後、乾燥した時に配線同士がくっつき、ショートする恐れがあった。
 超臨界は高温、高圧でつくられ、液体のように他の物質にすぐ溶け込み、気体のように拡散性がある。同社は新たな洗浄液として注目されていた超臨界状態のCO2を活用。二酸化炭素は低温で超臨界状態になるため、高温に弱いシリコンウエハーの洗浄に最適という。
 同社は超臨界の研究開発に力を注いでいる。今後、テスト機での実験を進め、来年度の本格的な実用化を目指している。野口賢二郎社長は「技術開発は進むシリコンウエハーで、後れを取っていた洗浄技術に一石を投じられれば」としている。

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