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ピロリ菌増殖防ぐ食品、地域資源活用事業に5件

2007.08.11
2007/08/11 中国新聞朝刊
 中国経済産業局は、地場産業をベースにした新事業の創出を支援する「地域資源活用型研究開発事業」に5件を選んだ。本年度からの新規事業で、植物乳酸菌の発酵技術を活用してピロリ菌の増殖を防ぐ機能性食品の開発や、萩焼の風合いを生かした高強度の陶器開発などが選ばれた。

 胃かいようや胃がんを発症させるといわれるピロリ菌を除菌する機能性食品の開発は、乳酸品など製造の野村乳業(広島県府中町)や広島大が取り組んでいる。ナシから取り出した植物乳酸菌を培養し、ピロリ菌の増殖を防止する物質を含んだ機能性食品が生まれる可能性があるという。
 萩焼の風合いを生かした実用的な陶器の開発に取り組むのは、萩焼窯元の萩陶苑(萩市)や山口県産業技術センターなど。吸水性が低く従来の3、4倍の強度を持つ素地を研究している。
 このほか、倉敷市児島地区の衣料メーカーなどの染色技術の高度化による新たな色合いのジーンズ開発▽島根県産のゼオライトを活用した抗菌機能を持つ室内用塗り壁材の研究▽鳥取県東部特産の因州和紙を用いた抗菌性の壁紙の開発―が選ばれた。
 地域資源活用型研究開発事業は、地場産業など地域の資源を基にした研究開発を促すのが狙い。地場の中小企業や大学・公的研究機関の共同開発を条件に、1件当たり3千万円を上限に研究費が支給される。
≪中国経済産業局が地域資源活用型研究開発事業で採択したテーマ≫
【テーマ】
・研究実施者
【植物乳酸菌の発酵技術を活用してピロリ菌の増殖を防ぐ機能性食品の開発】
・東洋高圧(広島市西区)、エステック(島根県東出雲町)、野村乳業(広島県府中町)、広島大、ちゅうごく産業創造センター
【萩焼の風合いを生かした高強度陶器の開発】
・萩陶苑(萩市)、クリエイティブ・ワイズ(広島市中区)、山口県産業技術センター、宇部高専、やまぐち産業振興財団
【新しい色合いのジーンズの開発】
・藍布屋(倉敷市)、コレクト(同)、クラレ(東京)、九州大、岡山大、岡山県工業技術センター、岡山県産業振興財団
【島根県産のゼオライトを活用した抗菌機能を持つ室内用塗り壁材の開発】
・伸興サンライズ(松江市)、カナツ技建工業(同)、ツチケン(出雲市)、イズカ(同)、松江高専、島根県産業技術センター
【因州和紙を用いた抗菌性の壁紙などの開発】
・谷口和紙(鳥取市)、日本農業資材(同)、サタケ(東広島市)、鳥取大、鳥取県産業技術センター、ちゅうごく産業創造センター

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