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シブヤマシナリー、東洋高圧と技術提携し亜臨界廃液浄化システム開発へ

2007.05.11
2007/05/11 日刊工業新聞
 シブヤマシナリー(金沢市、渡辺英勝社長)は、東洋高圧(広島市西区)と技術提携し、亜臨界状態を利用した廃液浄化システムの開発に乗り出した。1年後をめどに、賞味期限切れで戻された飲料などの処理設備として商品化し、食品、飲料メーカーに売り込む考え。

 開発するシステムは、液体と気体の性質を併せ持つ亜臨界水で有機性の廃液を水と二酸化炭素(CO2)に分解する。反応漕に入れた廃液を280度、85気圧に加熱・加圧し、酸素を注入して廃液中の水分を亜臨界状態にする。
 これによりほかの物質の酸化分解を強力に促し、短時間で水とCO2に分解する。実験システムでは芋焼酎の製造過程で出た廃液を、ほぼ100%分解できた。処理後の水は河川に放流できる。
 シブヤマシナリーは1日の処理能力100トン規模のシステムを開発し、価格20億円で販売する予定。同社と親会社の渋谷工業の販売網を使い販売する。年間5システムの受注をめざす。
 亜臨界廃液浄化システムは東洋高圧が宇宙航空研究機構(JAXA)の特許使用許可を得て開発した。東洋高圧は研究機関向けが主力で、現在、同システムは実験装置の段階にある。22日から東京ビッグサイトで開催される「2007NWE環境展」に実験システムを出品する。

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