新聞・雑誌等への掲載

鶏ふんからエネルギー、中国電、ガス化試験開始-2010年度の実用化目指す

2006.08.12
2006/08/12 日本経済新聞 地方経済面(中国B)


 中国電力は11日、鶏ふんなど家畜の排せつ物を高温高圧でガス化する運転試験を始めた。2007年度まで連続運転などの試験を続け、10年度の実用化を目指す。家畜排せつ物を利用する堆肥(たいひ)は供給過剰となっており、エネルギーへの転換利用を狙い研究を進める。
 中国電力の研究所であるエネルギア総合研究所(東広島市)が広島大学、産業技術総合研究所、高圧機器などの東洋高圧(広島市)と共同で取り組む。鶏ふんを燃料とするガス化技術の実用化に成功すれば国内初という。
 新技術は鶏ふんを触媒となる活性炭や水と混ぜ、液状化させたうえで高温高圧でガス化する仕組み。ガス化するためにセ氏600度、25メガ(メガは百万)パスカルの温度と圧力を加える。生成ガス、排水、触媒の3つに分離することが可能で、発生したガスを発電などに活用することも検討する。
 中国電力はエネルギア総研の敷地内にガス化プロセスの試験装置を設置し、ガス化の反応やガス分離の実験を重ねる。来年度からは長時間の運転を実施し、ガス化の連続処理にも取り組む。実用化に成功すれば、採卵養鶏場などに鶏ふんを処理する装置を導入する。

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