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広島県の調味料製造法特許、東洋高圧が使用権利-食品を液化 発酵装置販売

2006.01.07
2006/01/07 中国新聞朝刊


 実験用プラント製造の東洋高圧(広島市西区)は、広島県立食品工業技術センター(南区)が開発した調味料製造法の特許について、県と使用契約を結んだ。原料に高圧をかけ、短期間で穀物や魚介類を発酵させる技術で、食品メーカーなどに装置の販売を目指す。
 特許は、温度を40~60度に保った容器に原料を入れ、深さ5千~1万メートルの深海に相当する50~100メガパスカルの高い圧力をかけて短期間で発酵させる方法。高圧が腐敗菌の増殖を抑制するため、腐敗防止用の塩分を使う必要がない。発酵も早まり、本来、数ヶ月から数年かかるみそやしょうゆの製造期間を1、2日に短縮できるという。
 高圧が腐敗を遅らせることは知られていたが、同センターは初めて発酵に最適な温度と圧力の組み合わせを簡易な仕組みの装置で実現した。同社は、発酵によって魚も骨ごと液状にできるため、調味料のほか、サプリメントなどの製造にも応用できるとしている。
 東洋高圧は、容器の容量が50リットル以下の装置の製造、販売について権利を取得した。「まるごとエキス」の商品名で全国の食品や医薬品メーカーに売り込む。初年度に1億5千万円の販売を目指し、売り上げの2%をロイヤルティーとして県に支払う。
 野口賢二郎社長は「食品製造において腐敗の防止は長年の課題だった。動植物をすべて液状にでき、廃棄物の削減なども期待できる」と話している。

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