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高圧器内で衣料着色 東洋高圧が国内初開発 蒸気利用 廃液出ず

2002.04.06
2002/04/06 中国新聞朝刊

 機械装置メーカーの東洋高圧(広島市西区、野口賢二郎社長)は、高圧の容器内で衣料に着色する「超臨界無廃液染色装置」を開発した。高圧下で液体と気体の中間に当たる蒸気の状態にして染色する装置は国内では初めて、という。
 装置は、密閉した鋳物の容器内で液状の二酸化炭素を温め、高圧の蒸気状態にして染料を投入。パイプでつながった別の密閉容器に入れた衣料に色を吹き付ける。密閉容器内で温度、圧力とも上昇しなくなった「超臨界」技術を応用している。
 衣料に付着しなかった染料が容器に残るため、回収して再利用できる。現在の染色では染料を溶かした水に漬けるため大量の廃液がでるが、この装置は蒸気を利用するため廃液は出ない。
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業「ベンチャー支援型コンソーシアム」として、衣料メーカー豊和(倉敷市、田代豊雄社長)、岡山県工業技術センター、福岡大(福岡市)と共同で技術を開発。東洋高圧が実用化にこぎ着けた。1号機は豊和に納入。年間10億円の売り上げを目指す。
 野口社長は「運動エネルギーが高い超臨界により、染めた色は鮮明で落ちにくい」と話している。

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