新聞・雑誌等への掲載

岡山県工術セと豊和など、セルロース系繊維の無廃液染色技術を開発

2001.01.11
2001/01/11 日刊工業新聞


岡山県工業技術センターは豊和(岡山県倉敷市、田代豊雄社長)などと共同で、綿などセルロース系繊維の無廃液染色加工システムを開発した。
超臨界状態(約120度C、200気圧)の二酸化炭素中に、特殊な化学構造を持つ「反応分散染料」とアセトンを主成分とする共溶媒を入れることで、染色排水を発生させない染色を可能にする技術。
2年後をめどに実用化する。
超臨界二酸化炭素に溶かす染料は疎水性が高いものを使うため親水性のある綿製品には染色できず、ポリエステルなど化学合成繊維にしか適用できない。
しかし、反応分散染料は疎水性がありながらも綿に結合しやすい化学構造を持ち、加えて、疎水性と親水性の仲立ち的な機能を持つ共溶媒によって綿への染色を促進するという。
この染色方法では廃液が全く発生しないため環境保護につながるほか、処理費用を軽減できる。
綿繊維だけでなく、化学合成繊維への染色も可能だ。
開発は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ベンチャー企業支援型地域コンソーシアム研究開発事業」。
県新技術振興財団(管理法人)、ニッセン(岡山県倉敷市)、東洋高圧(広島市西区)、福岡大工学部などが参画している。
現在、処理量が30リットル程度の実験機は開発しているが、今後、2倍程度まで増やして実用機とする方針。
「より最適な染料の発掘や工程の改良などに努めたい」(工業技術センター)と話している。

←戻る


東洋高圧バナー  超臨界技術研究所バナー