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東洋高圧、食品加工機械「板前シリーズ」が好調-省人化ニーズに乗る

1993.09.28
1993/09/28 日刊工業新聞


実験開発型のプラントメーカー、東洋高圧(広島市西区楠木町2の1の22、社長野口賢二郎氏)が、事業の第2の柱として参入した食品加工機械「板前シリーズ」がユーザーの省人化ニーズに乗り、人気を呼んでいる。
食品業界の製造現場において慢性的な人手不足と、機械で商品を扱うことがタブーとされている中で「食品業界のニーズにマッチしたことと、独自の特殊技術が奏功したため」(野口社長)とみている。板前シリーズの導入を始めたのは92年の11月から。
当時、プラント製造が専業だった同社が、プラント事業は一定的な需要はあるものの、伸びが限られ受注仕事が大半を占めていたため、これからは営業力を生かして営業力とプラント事業で培ったノウハウで機械化が遅れている製造業にターゲットを絞った。
まず、第1弾としてカニの自動殻、皮剥き機「板前太郎」と「板前二郎」を発売。これは手作業でさばくのと比べて約2倍の処理能力があり、1台1千万円以上するにもかかわらず京都の料理屋チェーン店などへすでに20台前後納入している。
その後、スパゲティ麺(めん)の早ゆで機「めんぱ」や冷凍鮭(さけ)の切り身を入れる機械「板前三郎」や「三郎特急」、「三郎超特急」、「板前生子(なまこ)」などを相次ぎ発売した。 特に発売後数ヶ月で北海道や静岡の魚を扱う企業などから500件近くの問い合わせがあった「板前三郎特急」は、冷凍鮭を斜め35度に切り身を誤差5%程度に抑え、1時間で約1千5百切れをさばき、一切れ当たり35~300g内にカットするというもの。
発売したばかりの「板前生子」は「板前三郎」の発展型で、生の鮭やタラといった魚に切り身を入れる加工機械装置で人的能力に換算すれば約1.5人分の役割を果たす。こうした一連の「板前シリーズ」の好調をバネに近く魚の3枚おろし「板前三枚おろし」、生エビの皮剥き機「板前えび八」も順次発売する予定。

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