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超臨界流体プロセスの実用化

超臨界流体プロセスの実用化

株式会社技術情報協会発行

超臨界および高温高圧装置の開発(株式会社東洋高圧 野田洋二)
超臨界流体を利用した応用技術は様々な分野で研究が行われているが、利用される流体は主に水、二酸化炭素、炭化水素系のようである。それぞれの超臨界の性質は、反応、抽出、分離及び生成、乾燥、新素材の製造などにすでに使われており、すでに実用化されているものも多い。

特に二酸化炭素を使用する超臨界装置は、その臨界点Pc=7.38MPa,Tc=304Kと比較的低いレベルにあるので、この超臨界装置の設計圧力、設計温度はさほど高くないものが多いが、最近では二酸化炭素を用いた超臨界試験装置でも、設計圧力40MPa、設計温度500℃といったようなレベルのものも作られているようである。また水を使用する亜臨界、超臨界装置は、水の臨界点がPc=22.1MPa,Tc=647Kと高いレベルにあるので、この超臨界装置の設計圧力、設計温度は必然的に40MPa程度、500℃程度になってくる。そしてこのレベルになってくると装置を作るための材料は特殊なものが要求され、また、配管の継ぎ手、容器のフタフランジのシール方法なども特殊な型式のものが必要になってくる。

筆者の調べた限りでは、プロセスに関する報告、発表は、国内、国外とともに数多くなされているが、それらのプロセスを実現するための装置の技術に関する書籍、技術的な解説などは国内では見つからなかった。従って水の超臨界状態についての研究をされている担当者の方々の装置の製作における苦労、費やされる時間は、大変なものであろうと推測される。 配管用継ぎ手

当然であるが、装置の配管には継ぎ手はなくてはならないものであり、これに漏れが発生すると運転を中止しなければならなくなるので、とても大切な要素である。40MPa、500℃を超えるような過酷な条件で使われる継ぎ手は、無理矢理にネジなどで押さえ込んでシールさせるような方式のものは大抵トラブルを起こす。従ってその基本的なシール機構は、内圧による力を利用し、かつ、温度変化に対して鋭い構造でなければならない。

図1はその一例である(フランス TOP社製)ちなみに、この形式の継ぎ手はチューブ外径が1/4”では50MPa,700℃、また1/16”では 90MPa、700℃程度の条件まで使える。この形式の利点はチューブに特別な加工をしなくても厚肉のチューブ(厚さが外径の1/3程度まで)の接続が簡単にできることである。チューブ、フェルール、継ぎ手本体は同一材料を使用し、耐食材料であるHast. C-276,Hast. X,Inc.625などがよく使われ、グランドナットはSUS630、Inc.800Hなどが使われる。

シール機構の説明図1
シール機構の説明図

最初にセットする時はグランドナットを手締め状態から1.5回転締め込む。これによりフェルールは、図のようにチューブに食い込みチューブの固定とシールがなされる。A部詳細はシール部に内圧が加わった場合の説明図であるが、内圧によりチューブを外に引き抜こうとする力が発生し、チューブの絞られた部分がフェルールの内かど(a部)に押しつけられる。この押しつけ力は内圧が高くなるとそれに比例して大きくなり、また同時に内圧によりパイプは膨らむように変形しようとするので、さらにa部はきつく締まることになる。また、b部も内圧によって押し広げられる力が作用するのでフェルールのこの部分の外径面は、初期の状態よりさらに強く押しつけられることになる。

この作用は、運転温度が高くなってくると、相対的に強くなることになるので良好なシール状態が維持できる。この他に、チューブの先の外径部にネジを切り、その先端にオスのテーパー加工をし、カラーをねじ込み、このカラーをグランドナットで押しつけることによりメスのテーパーに押しつけるタイプのものも良好なシール性能を有するが、1/8”,1/16”の外径のチューブには加工が大変である(チューブがNi基合金の場合にはコーニング加工、ネジ切り、ともに非常に難しい)。しかし、1/4”から11/16”の外径のチューブの継ぎ手としてはよく利用される。市販されているスエージ式継ぎ手はチューブ外径によって異なるが1/8”以下の外径のものでは、20MPa、400℃前後まで良好なシール性能を有する。